住宅会社との打ち合わせで「外構は別途です」と言われて、そこで初めて外構という言葉を意識する方は少なくありません。カタログには「エクステリア」とも書かれていて、同じものを指しているのかどうかも分かりにくい。このページでは、外構工事がどこからどこまでを指すのか、法律上はどう扱われているのか、そしてサイトに掲載している業者が実際に手がけている8つの工事種類を整理します。新築とリフォームで進め方がどう変わるかまで読めば、見積もりを見たときに「何が入っていて何が入っていないか」が判断できるようになります。

外構工事とは|建物の外側につくるもの全般

外構工事とは、敷地のうち建物本体を除いた部分につくるもの全般の工事です。駐車場、門、フェンスや塀、玄関までのアプローチ、庭や植栽、物置やカーポートなどがここに含まれます。建物の設計図では「敷地」として白く残っている部分が、ほぼそのまま外構工事の対象範囲だと考えると分かりやすいでしょう。

住宅会社の見積もりで外構が「別途」となっているのは、建物本体の工事とは別の業者が施工することが多いためです。建物の請負契約に含まれるのは、多くの場合、建物周囲の最低限の整地や設備配管の立ち上げまでで、駐車場の土間コンクリートや門まわりは含まれていません。契約書のどこまでが建物でどこからが外構なのかは、着工前に確認しておきたいところです。

法律上は「ひとつの工事」として扱われていない

外構工事という言葉は日常的に使われていますが、建設業の許可制度のうえでは単独の業種ではありません。国土交通省の「建設業許可事務ガイドライン」に添付された別表(建設工事の種類と例示)では、「外構工事」はとび・土工・コンクリート工事(許可の業種名は「とび・土工工事業」)の工事例示のひとつとして挙げられています。一方で、庭をつくる工事は別の業種に分類されます。

  • とび・土工・コンクリート工事(とび・土工工事業):土砂の掘削や盛土、コンクリートによる工作物の築造など。「外構工事」はこの業種の工事例示に含まれます
  • 造園工事業:建設省告示(昭和47年告示第350号)が工事内容を「整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し」と定めており、植栽工事・景石工事・園路工事などが例示されています
  • 石工事業/タイル・れんが・ブロック工事業:コンクリートブロックを積む工事や、タイルを張る工事はこちらに分類されます

つまり一枚の外構プランは、制度上は複数の専門工事の集まりです。これは読者にとって実用的な意味を持ちます。「外構工事業」という単一の許可や資格を持っている業者は存在せず、会社ごとに出発点が違うからです。土工やコンクリートを得意とする会社、造園から広げてきた会社、ブロック・タイルの施工を軸にしてきた会社があり、同じ要望でも提案の重心が変わります。依頼先ごとの違いは外構業者の選び方7つのポイントで整理しています。

部位によって法律上の扱いが分かれる

外構は「建物ではないから自由につくれる」と思われがちですが、部位によって建築基準法の対象になります。

  • 門と塀は建築物の一部:建築基準法2条1号は建築物を「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」と定義し、そこに「これに附属する門若しくは塀」を含めています。門柱や塀は、法律上は庭の飾りではなく建物に附属する建築物として扱われます
  • 高さ2mを超える擁壁は確認申請の対象:建築基準法施行令138条1項5号が、高さ2mを超える擁壁を法88条1項の工作物として指定しています。区域によって適用が変わるため、高低差のある敷地では着工前に業者へ確認してください
  • カーポートは面積や地域によって申請が必要:屋根と柱があるため建築物にあたります。申請が必要になる条件と2025年4月の法改正の影響はカーポートの費用相場と選び方で解説しています
  • フェンスの高さには民法上の規定もある:隣地境界に設ける囲いについては民法225条2項に定めがあります。詳しくは目隠しフェンスの費用相場と選び方をご覧ください

費用の全体像については外構工事の費用相場で、工事内容別・スタイル別の金額とともに解説しています。敷地をどこまで囲うか(オープン外構・クローズ外構)による差も同じページにまとめています。

「外構」と「エクステリア」は何が違うか

結論から言えば、住宅の打ち合わせの場では両者はほぼ同じ意味で使われています。「外構工事をお願いしたい」と「エクステリア工事をお願いしたい」で、出てくる提案が変わることはありません。違いがあるのは言葉の重心と、使われる場面です。

言葉の重心が少し違う

  • 外構:門、塀、フェンス、駐車場といった構造物そのものを指す色が強い言葉です。「外構を囲う」「外構を打ち合わせる」のように、つくるモノを指して使われます
  • エクステリア:インテリア(室内)の対になる言葉で、建物の外側の空間全体を指します。構造物だけでなく、庭の植栽や照明を含めた屋外の環境づくり全体を含む言い方です

ただしこの区別は辞書的なもので、実務で厳密に守られているわけではありません。公益社団法人日本エクステリア建設業協会は、同協会が認定する1級エクステリアプランナーを「一般住宅や共同住宅の建物廻り(外構)全般の設計・工事・監理を任せられるだけの専門知識と技術を有している者に与えられる称号」と説明しています。業界団体自身が「建物廻り(外構)」と併記していることからも、両者が実質的に同義として扱われていることが分かります。

使われる場面で分かれる

はっきりした違いが出るのは、どちらの言葉が公的文書に載っているかです。前述の建設業許可事務ガイドラインの別表に例示されているのは「外構工事」で、「エクステリア工事」という業種名や工事例示は制度上ありません。役所の書類や建設業の許可関係では「外構」、会社名や商品カタログでは「エクステリア」が多く使われる、という住み分けになっています。

業者を探すときは、どちらの言葉で検索しても対象はほぼ同じです。むしろ注意したいのは言葉の違いより、その会社が何を得意にしているかです。「エクステリア専門店」と「造園業」では、同じ敷地でも提案の方向が変わります。見積もりを比較するときの着眼点は外構工事の見積書の見方にまとめています。

外構工事の8つの種類

当サイトでは、外構工事を8つの種類に分けて業者を検索できるようにしています。それぞれが何をする工事なのかと、掲載している業者のうち何社が対応しているかを一覧にしました。対応社数は、掲載している217社のうち、その工事を対応分野として登録している会社の数です(2026年10月時点)。

種類 どんな工事か 対応社数
カーポート 柱と屋根で駐車スペースを覆い、雨や雪、紫外線から車を守る。屋根と柱があるため建築基準法上は建築物にあたり、面積や地域によって確認申請が必要になる 93社
駐車場コンクリート 駐車スペースの路面を土間コンクリートで仕上げる。雑草が生えず、タイヤの沈み込みやぬかるみもなくなる。ひび割れを防ぐため厚みと目地の設計が仕上がりを左右する 62社
フェンス 敷地の境界を示し、外からの侵入や子ども・ペットの飛び出しを防ぐ。素材はアルミ、樹脂・人工木、スチールメッシュなど。隣地境界に設ける場合は民法上の規定と隣家との合意が関わる 93社
ウッドデッキ リビングの床の高さに合わせた屋外の床をつくり、室内と庭をつなげる。天然木と人工木で耐用年数とメンテナンスの手間が大きく変わる 66社
門まわり 門柱、門扉、表札、ポスト、インターホンをまとめて整える工事。来客の動線と、敷地の第一印象を決める部分。機能門柱を使うか、独立門柱や門袖壁にするかで雰囲気が変わる 86社
植栽・庭園 樹木や下草を植え、芝生や石を配置して庭をつくる。建設業の分類では造園工事にあたる領域。植えたあとの剪定や管理の負担まで含めて計画する必要がある 84社
目隠し 道路や隣家からの視線を遮る工事。目隠しフェンスのほか、ルーバーやスクリーン、生垣など手段は複数ある。遮りすぎると風通しと採光が落ちるため、必要な範囲を見極める設計が要になる 13社
タイルテラス コンクリートの下地にタイルを張って屋外の床をつくる。ウッドデッキと用途は近いが、腐らず色あせしにくい一方で、夏場の蓄熱や雨天時の滑りへの配慮が必要になる 36社

対応社数の差が示していること

表を見ると、カーポートとフェンスが93社に対し、目隠しは13社と差が大きく開いています。これは目隠しが特殊な工事だからではありません。目隠しを独立した対応分野として登録している会社が13社にとどまるだけで、そのうち9社はフェンスにも登録しています。目隠しフェンスの施工自体は、フェンス対応93社の多くが手がけています。手段ごとの違いは目隠しフェンスの費用相場と選び方で解説しています。

一方でカーポートとフェンスの対応社数が多いのは、新築時にほとんどの敷地で発生する工事で、どの会社も経験を積んでいるからです。逆に言えば、この2つは比較できる候補が多く、相見積もりの効果が出やすい工事でもあります。

各工事の費用については、工事項目別の目安を外構工事の費用相場にまとめています。個別の工事は駐車場コンクリート、ウッドデッキとタイルテラスの比較、門柱・門まわり、庭づくり・造園の各ページで解説しています。

新築時の外構とリフォームの外構は進め方が違う

外構工事は、新築に合わせて行う場合と、今住んでいる家で行う場合で、難しさの中身が入れ替わります。同じ「駐車場をつくる」工事でも、考える順番が変わります。

検討の出発点 つまずきやすい点
新築時の外構 まだ何もない敷地に、建物の設計と並行してゼロから計画する。玄関の位置、駐車台数、境界の扱いが建物の間取りと連動する 建物の打ち合わせに追われて検討が後回しになり、決める時間が足りなくなる。住宅ローンに組み込む場合は本審査前にプランを固める必要がある
リフォームの外構 すでにある外構のどこに不満があるかを切り分ける。実際に住んだ経験があるため、使いにくい場所がはっきりしている 既存の構造物やコンクリート、樹木の撤去・処分が先に必要になる。地中に何が埋まっているか事前に分からず、追加費用の条件が問題になりやすい

新築で効いてくるのは「決める順番」

新築の外構で後悔が出やすいのは、予算不足よりも検討時期の遅れです。玄関の位置や駐車場の広さは建物の設計に縛られるため、間取りが固まったあとに外構を考え始めると、選べる選択肢がすでに減っています。検討の開始時期、引き渡し前に施工する先行外構と引き渡し後の後施工の比較、打ち合わせから完成までのスケジュールは新築の外構工事はいつから?で詳しく扱っています。

リフォームで効いてくるのは「撤去」と「不満の切り分け」

リフォームでは、新しくつくる費用の前に、今あるものを壊して運び出す費用が乗ります。コンクリートの解体、ブロック塀の撤去、庭木の伐採と抜根がこれにあたり、敷地への進入経路が狭いと重機が入れず作業量が増えます。

もうひとつ重要なのが、不満の原因を取り違えないことです。「庭の手入れが大変」という不満は、植栽を減らす工事で解決する場合もあれば、雑草対策だけで解決する場合もあります。前者と後者では工事の規模がまったく違います。部位別のリフォーム費用と更新時期の目安は外構リフォームの費用相場とタイミング、雑草対策の方法の比較は庭の雑草対策6つの方法と費用相場にまとめています。

よくある質問

Q. 外構工事はどこまでが工事範囲ですか?
A. 敷地のうち建物本体を除いた部分が対象です。駐車場、門まわり、フェンスや塀、アプローチ、庭、カーポートや物置などが含まれます。住宅会社の請負契約に含まれる範囲は会社によって異なるため、どこまでが建物側でどこからが外構側なのかを契約前に確認してください。

Q. 外構とエクステリアは違うものですか?
A. 住宅の現場ではほぼ同義です。外構は門や塀などの構造物を、エクステリアは建物の外側の空間全体を指す言葉ですが、依頼時にどちらを使っても提案内容は変わりません。建設業の業種区分に例示されているのは「外構工事」のほうで、公的な文書では外構が使われます。

Q. 外構工事に資格や許可は必要ですか?
A. 外構工事という単独の業種はなく、工事の内容によって建設業の業種が分かれます。資格では公益社団法人日本エクステリア建設業協会の民間資格「エクステリアプランナー」や、国家資格の造園施工管理技士があります。なお造園工事業は建設業法施行令5条の2が定める指定建設業7業種のひとつで、大規模な元請工事に必要な特定建設業(下請への発注額が大きい元請向けの許可区分)を受けるには、国家資格者などを置くことが求められます。資格の有無をどう判断材料にするかは外構業者の選び方をご覧ください。

Q. 外構工事に建築確認申請は必要ですか?
A. 部位によって分かれます。高さ2mを超える擁壁は建築基準法施行令138条1項5号で工作物として指定されており、原則として申請の対象です。カーポートは面積や地域の条件で必要になります。一般的な高さのフェンスや駐車場のコンクリート舗装は対象外ですが、自治体の条例で扱いが異なる場合があるため、業者に確認するのが確実です。

Q. 外構工事だけを別の業者に頼めますか?
A. 可能です。住宅会社経由ではなく外構専門店に直接依頼する方法もあります。ただし住宅ローンに外構費用を組み込む場合は、建物と外構を一括で契約するのが基本となるため、依頼先の自由度が下がることがあります。複数社へまとめて相談する方法は外構の一括見積もりとはで解説しています。

まとめ

  • 外構工事は、敷地のうち建物本体を除いた部分につくるもの全般の工事
  • 建設業の制度上は単独の業種ではなく、「外構工事」はとび・土工・コンクリート工事の工事例示、庭づくりは造園工事業と分かれている
  • 門と塀は建築基準法2条1号で建築物に含まれ、高さ2mを超える擁壁は施行令138条1項5号の工作物として確認申請の対象になる
  • 外構とエクステリアは実務上ほぼ同義。公的文書では「外構」、商号やカタログでは「エクステリア」が使われる
  • 工事の種類は8つ。掲載業者217社のうち、カーポートとフェンスは93社、目隠しは13社が対応している
  • 新築は決める順番、リフォームは撤去費用と不満の切り分けが進め方の分かれ目になる

外構工事の全体像がつかめたら、次は自分の敷地で何をどこまでやるかを具体化する段階です。工事の種類によって対応できる業者の数も得意分野も変わるため、候補は地域で絞ったうえで複数社に相談するのが現実的です。お住まいのエリアの外構業者一覧から、対応工事と所在地で比較してみてください。