「今ある庭が使いにくいので作り変えたい」「新築の庭にどこまでお金をかけるべきか決められない」。庭づくりは外構工事のなかでも特に費用の幅が大きく、同じ広さでも数十万円から数百万円まで開きます。判断材料がないまま見積もりを取ると、金額の妥当性が分からず決めきれません。
結論から言えば、庭づくりの費用は1坪あたり3万〜10万円が目安で、庭全体をつくり変える場合の総額は50万〜300万円が中心的な価格帯です。この記事では、その幅がどこから生まれるのか、地面の仕上げ方やスタイルごとの考え方、植栽を入れた場合に毎年かかる維持管理費、そして既存の庭を作り変えるときに発生する撤去・抜根費用までを整理します。DIYでできる範囲と業者に任せるべき範囲の線引きも解説しますので、予算配分を考える材料としてお使いください。
庭づくりの費用相場|まずは全体像から
一般的な戸建て住宅の庭(10〜30坪程度)を対象にした造園工事の目安は、次のとおりです。
| 工事の規模 | 費用目安 |
|---|---|
| 植栽・お庭(簡易) | 約10万円〜 |
| 植栽・お庭(本格的な庭づくり) | 50万円〜 |
| 造園工事の坪単価 | 3万〜10万円/坪 |
| 庭全体をつくり変える総額 | 50万〜300万円 |
庭の一部だけを手直しする、植栽を数本入れて地面を整えるといった簡易な工事なら10万円台から可能です。設計を伴い、造作物まで含めた本格的な庭づくりになると50万円からが一つのラインになります。坪単価はあくまで面積あたりの平均値で、造作物が入ると単価は上振れするとお考えください。外構全体のなかでの予算配分は外構工事の費用相場もあわせてご確認ください。
費用を決める3つの要素
- 面積:地面の仕上げ材は㎡単価で積み上がるため、面積がそのまま金額に反映されます。10㎡と50㎡では5倍の差になります。
- 植栽の数と樹種:樹木は高さが上がるほど本体価格も植え付けの手間も跳ね上がります。同じ樹種でも1mと3mでは価格が3倍近く違うことがあります。
- 造作物の有無:ウッドデッキ、テラス、花壇、立水栓といった「つくりもの」が入るかどうかで、総額は数十万円単位で動きます。
逆に言えば、この3つのどこにお金を寄せるかを決めれば、予算のコントロールは可能です。全面を高価な仕上げにするのではなく、よく使う場所だけしっかり作り、残りは低コストな仕上げにするという配分が現実的です。
地面の仕上げ方で総額は大きく変わる

庭の大部分を占めるのは地面です。ここをどう仕上げるかが、初期費用と、その後の手入れの手間の両方を決めます。
| 仕上げ方(1㎡あたり) | 費用目安 |
|---|---|
| 防草シート+砂利敷き | 3,000〜6,000円 |
| 天然芝(芝張り・整地込み) | 3,000〜8,000円 |
| 人工芝(防草シート込み) | 5,000〜10,000円 |
面積別に見ると、防草シート+砂利は10㎡で3万〜6万円、30㎡で9万〜18万円、50㎡で15万〜30万円。人工芝は10㎡で5万〜10万円、30㎡で15万〜30万円、50㎡で25万〜50万円が目安です。既存の庭を作り変える場合は、これに加えて既存物の撤去費用が発生します(後述)。
天然芝と人工芝、どちらを選ぶか

結論としては、庭の手入れに時間を割けるなら天然芝、割けないなら人工芝です。初期費用の差より、手入れの継続性で選ぶほうが後悔しません。
- 天然芝:初期費用は比較的抑えられますが、生育期は月1〜2回の芝刈りが必要で、水やり・目土入れ・雑草取りも続きます。手入れそのものを楽しめる方向けです。
- 人工芝:初期費用は上がるものの、日々の手入れはほぼ不要。共働き世帯や、庭に時間を割きにくい方に選ばれています。
- 砂利:最もコストを抑えやすく、歩くと音が出るため防犯上の利点もあります。ただし全面砂利は無機質な印象になりやすいため、植栽や飛び石と組み合わせるのが一般的です。
雑草の抑制効果や施工の注意点は雑草対策の費用と方法で詳しく解説しています。
くつろぐ場所をつくるなら
庭に「出て過ごす場所」をつくるなら、ウッドデッキやタイルテラスが選択肢になります。天然木のウッドデッキは20万〜40万円、人工木は25万〜45万円、タイルテラスは28万〜50万円が目安です。庭全体の予算のうち、この造作物が最も大きな単一項目になることが多いため、優先順位を早めに決めておくと配分がしやすくなります。詳しくはウッドデッキとタイルテラスの比較をご覧ください。
スタイル別の考え方|和風・洋風・ナチュラル

どんな庭にしたいかが固まっていないと、業者への要望が伝わらず、提案も的外れになりがちです。代表的な3つのスタイルの特徴を整理します。
| スタイル | 主な構成要素 | 費用・手入れの傾向 |
|---|---|---|
| 和風 | 常緑樹、庭石、砂利、飛び石、竹垣 | 庭石や仕立てものを使うと材料費・施工費とも上がりやすい。樹形を保つ剪定に技術が必要で、管理費も高めになりやすい |
| 洋風 | レンガ、タイル、花壇、生垣、芝生 | 造作物が増えるほど費用が上がる。花壇の植え替えなど、季節ごとの手入れが前提 |
| ナチュラル | 雑木(落葉樹)、下草、ウッドチップ、乱形石 | 比較的コストを抑えやすい。落葉樹は秋の落ち葉掃除が発生する |
ガーデニングを楽しみたい場合の組み込み方
草花を育てることが庭の目的なら、設計段階で「土のスペース」をどこにどれだけ確保するかを先に決めておくのが要点です。全面を人工芝や砂利で覆ってしまうと、後から花壇を作るのに撤去費用が発生します。
- 花壇の造作:業者に依頼したレンガ花壇は3万〜5万円/㎡程度が目安です。DIYであれば1m程度の花壇の材料費は1万円弱から可能で、庭づくりのなかでは自分で手を出しやすい部分です。
- 日当たりで場所を決める:野菜や草花の多くは半日以上の日照を必要とします。建物の南側を優先し、北側や建物の影になる場所は日陰に強い下草にあてるのが定石です。
- 水道の位置を最初に決める:立水栓や散水栓が花壇から遠いと、水やりが続きません。配管は後から動かしにくいため、設計段階で相談しておくべき項目です。
- 作業動線を確保する:花壇の周囲に人が立てる幅がないと、手入れがしにくくなります。奥行きは手の届く60〜80cm程度までに抑えると管理が楽になります。
スタイルを決めるときの現実的な視点
- 家の外観と合わせる:庭だけが独立して見えることはありません。建物のサッシ色や外壁材と方向性を揃えると、まとまりが出ます。
- 手入れにかけられる時間から逆算する:見た目の好みだけで決めると、数年後に管理しきれず荒れることがあります。年に何回、何時間庭に手をかけられるかを先に考えるのが確実です。
- 東海エリアの気候を踏まえる:岐阜市・一宮市・春日井市・可児市といった内陸部は夏の高温がきびしく、日当たりの強い場所では乾燥に弱い樹種が傷みやすくなります。三重県北勢の四日市市・桑名市周辺は比較的温暖ですが、伊賀・名張など内陸部は冬の冷え込みが強く、条件が変わります。植える位置と樹種の相性は、地域の気候を把握している業者に確認しておくと安心です。
植栽を入れるなら、維持管理費まで見ておく

庭づくりで見落とされやすいのが、植えた後に毎年かかる費用です。ここを把握しないまま樹木を増やすと、数年後に管理費が負担になります。
植栽そのものの費用
樹木の費用は「樹木本体の価格」と「植え付け工事費」に分かれます。高さ別の植え付け工事費の目安は次のとおりです。
| シンボルツリーの高さ(植え付け工事費) | 費用目安 |
|---|---|
| 高さ2m程度 | 1万〜5万円 |
| 高さ3m程度 | 3万〜10万円 |
| 高さ4m程度 | 5万〜20万円 |
これに樹木本体の価格が加わります。2m前後の樹木本体は2m前後で2万〜8万円程度が目安です。工事費と合わせると、2m前後のシンボルツリー1本で3万〜13万円程度が総額の目安になります。樹種や樹形の仕立て具合で本体価格が大きく動くため、見積もりでは本体価格と工事費が分けて記載されているかを確認してください。
剪定にかかる費用と頻度
樹木は植えたら終わりではなく、定期的な剪定が必要です。単価制の場合、木の高さによって料金が変わります。
| 剪定の対象(1本あたり) | 費用目安 |
|---|---|
| 低木(高さ1m未満) | 1,000〜3,000円 |
| 中木(高さ1〜3m) | 5,000〜12,000円 |
| 高木(高さ3〜5m) | 12,000〜30,000円 |
| 生垣(高さ1〜2m・1mあたり) | 1,000〜2,000円 |
| 職人1人あたりの日当制 | 2万〜3万円/日 |
| 枝葉の処分費(軽トラック1台分) | 5,000〜10,000円 |
- 剪定の頻度:常緑樹は年1〜2回、落葉樹は年1回(冬の落葉期)が一般的な目安です。生育の早い樹種や生垣は、年2回必要になることもあります。
- 単価制と日当制の使い分け:本数が少ないうちは単価制、庭全体を一度に整える場合や本数が多い場合は日当制のほうが割安になりやすい傾向です。
- 処分費は別計上が基本:見積もりに枝葉の処分費が含まれているかを事前に確認しましょう。ここが後から加算されるケースがあります。
- 高さ5mを超えると費用の段が変わる:高所作業車が必要になると、剪定費用は一段階上がります。植えるときに「将来どこまで大きくなるか」を確認しておくことが、長期的なコスト管理につながります。
芝生・雑草の管理費
芝生や下草を入れる場合は、草刈り・芝刈りの外注費も想定に入れておくと安心です。業者に依頼した場合の相場は1㎡あたり100〜300円程度で、100㎡前後の庭なら1回1万〜3万円程度が目安になります。天然芝を選んだ場合はこれが生育期に繰り返し発生するため、自分で行うか外注するかで年間コストは大きく変わります。
庭のリノベーションでは「撤去・抜根」が最初の関門

既存の庭を作り変える場合、新しく作る費用とは別に、今あるものを撤去する費用が発生します。ここが見積もりの想定を超えやすいポイントです。
| 撤去・処分の内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 整地(地ならし・小石除去など) | 2,000〜6,000円/㎡ |
| 庭石の撤去・処分 | 30〜40円/kg |
| ブロック塀の撤去 | 5,000〜10,000円/㎡ |
| 抜根(幹の太さ30cmまで) | 10,000〜18,000円 |
| 抜根(幹の太さ31〜50cm) | 20,000〜33,000円 |
| 抜根(幹の太さ51〜80cm) | 30,000〜60,000円 |
| 抜根後の埋め戻し・整地 | 600〜1,000円/㎡ |
| 根の処分費 | 3,000〜10,000円 |
高さ3〜5m程度の庭木を伐採・抜根・処分まで一式で依頼した場合、総額は2万〜17万円程度と条件によって大きく開きます。庭木や庭石が多く、庭を全面的に解体して更地に戻す場合は撤去物の量に応じて加算され、3,000〜10,000円/㎡程度が目安です。
撤去費用が膨らみやすいケース
- 大きな庭石や池がある:重量物の搬出には重機が必要になり、撤去物の量もそのまま処分費に跳ね返ります。
- 重機が入れない立地:道路から庭までの通路が狭い、門扉をくぐれないといった条件では、小型ユンボ(日当2万〜5万円程度)すら入らず手作業に切り替わるため、工期・費用とも増えます。
- 根が構造物に近い:ブロック塀や基礎、給排水管の近くの抜根は慎重な作業が必要になり、単価が上がります。
- コンクリートやモルタルが埋まっている:以前の外構の残骸が地中から出てくると、追加の処分費が発生します。
いずれも見積もり時点では見えにくい部分です。現地調査のときに「地中に何が埋まっているか分からない場合の扱い」を確認し、追加費用の発生条件を書面で押さえておくとトラブルを避けられます。既存外構全体の作り変えについては外構リフォームの費用と進め方もご参照ください。
DIYでできる範囲と、業者に頼むべき範囲

庭づくりは外構工事のなかでは比較的DIYの余地がある分野です。ただし、やり直しが効かない工程まで手を出すと、結果的に高くつきます。
| 作業内容 | 難易度 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 花壇づくり・草花の植え付け | DIY向き | 失敗しても植え直せる。レンガ花壇のDIYなら材料費1万円弱から |
| 低木・下草の植栽 | DIY向き | 植穴を掘れる規模なら対応可能。土壌改良材の使い方だけ調べておく |
| 防草シート+砂利敷き | 条件付き | 狭い面積なら可能。ただし下地の転圧と端部処理が甘いと雑草が抜けてくる |
| 人工芝の施工 | 条件付き | 下地づくりの精度がそのまま仕上がりに出る。広い面積や高低差がある場所は業者向き |
| 樹木の植栽(高さ2m以上) | 業者向き | 重量があり、植え付け後の支柱設置にも技術が必要。枯らすと費用が無駄になる |
| 高木の剪定・伐採・抜根 | 業者向き | 高所作業や重機作業は事故につながる。廃材の処分も個人では難しい |
| ウッドデッキ・テラスの設置 | 業者向き | 基礎と水平出しの精度が耐久性を左右する |
| 排水・勾配の調整 | 業者向き | 誤ると水はけが悪化し、庭全体が使えなくなる。最優先で任せるべき工程 |
線引きの考え方
- やり直しが効くかどうか:植栽や花壇は失敗しても取り返せます。一方、下地・排水・基礎はやり直しに解体費用がかかります。
- 処分の手段があるかどうか:撤去作業は「壊す」より「捨てる」ほうが大変です。土や庭石、コンクリート殻は家庭ゴミでは出せません。
- 安全に関わるかどうか:脚立の上での剪定作業や重量物の移動は、けがのリスクが現実的にあります。
よくある質問
Q. 庭づくりの見積もりは、何社くらい取るべきですか?
A. 3社程度が一つの目安です。造園は業者ごとに得意なスタイルや提案の方向性が大きく異なり、金額だけでなく設計内容そのものが変わります。相見積もりは価格比較というより、複数の設計案を見比べる意味合いが強いと考えてください。
Q. 新築時にまとめて庭までつくるのと、後から追加するのとではどちらが得ですか?
A. 一般的には同時施工のほうが、重機の搬入や残土処分をまとめられるぶん効率的です。ただし、実際に住んでみないと動線や日当たりの使い勝手は分かりません。配管・配線・基礎など後から手を入れにくい部分だけ新築時に済ませ、植栽や仕上げは住んでから決めるという分け方も現実的です。
Q. 予算が限られています。どこから優先すべきですか?
A. 排水と地面の下地づくりが最優先です。ここが不十分だと、その上に何を作っても長持ちしません。次にプライバシーや防犯に関わる部分、最後に植栽やデザイン要素という順序が、後悔の少ない配分です。
Q. 植えた樹木が思ったより大きくなってしまいました。どうすればいいですか?
A. 剪定で樹高を抑える方法と、移植または伐採して植え替える方法があります。放置して大きくしてしまうより、早い段階で樹形を整えるほうが作業費は抑えられます。移植する場合は根鉢を傷めない時期の選定が必要になるため、造園業者に相談してください。
Q. 庭石が多い和風の庭を、洋風に作り変えられますか?
A. 可能です。ただし庭石をすべて撤去する前提だと処分費が大きくなるため、既存の石を一部残して新しいデザインに取り込む案も検討する価値があります。景石として配置し直したり、割って敷石に転用したりする方法もあるため、全撤去以外の選択肢を業者に提示してもらいましょう。
Q. 造園業者と外構業者、どちらに頼めばいいですか?
A. 植栽が中心で樹木の知識が必要なら造園業者、デッキやテラスなどの構造物が中心なら外構業者が得意分野です。両方を含む庭づくりでは、どちらにも対応できる会社を選ぶか、設計段階で役割分担を明確にしておくと進行がスムーズです。
まとめ
- 造園工事の坪単価は3万〜10万円、庭全体をつくり変える総額は50万〜300万円が中心。簡易な植栽工事なら約10万円〜、本格的な庭づくりは50万円〜から
- 費用を決めるのは面積・植栽の数と樹種・造作物の有無の3要素。予算配分はこの3つのどこに寄せるかで決まる
- 地面の仕上げは、防草シート+砂利が3,000〜6,000円/㎡、天然芝が3,000〜8,000円/㎡、人工芝が5,000〜10,000円/㎡
- 造作物はウッドデッキ(天然木20万〜40万円/人工木25万〜45万円)、タイルテラス28万〜50万円が単一項目として最も大きくなりやすい
- シンボルツリーは2m前後で本体・工事費込み3万〜13万円程度。剪定は中木5,000〜12,000円、高木12,000〜30,000円で、頻度は年1〜2回が目安
- リノベーションでは撤去費用が先に発生する。整地2,000〜6,000円/㎡、抜根は幹の太さ30cmまでで10,000〜18,000円、太くなるほど加算される
- DIYは花壇や低木の植栽まで。排水・下地・高所作業は業者に任せるのが結果的に安い
庭づくりは、同じ要望を伝えても業者によって提案が大きく変わる工事です。だからこそ、複数社の設計案と見積もりを見比べる価値があります。エクステリアチョイスでは、お住まいの地域から対応可能な外構・造園業者を探せます。岐阜県(岐阜市・可児市)、愛知県(一宮市・春日井市・名古屋市中川区)、三重県(四日市市・桑名市ほか)をはじめ、東海エリア各地の業者情報はエリア一覧からご確認ください。まずは現地調査を依頼し、庭の状態に合った提案を受けるところから始めてみてはいかがでしょうか。


